2007年02月25日

きっかけの出来事

 「お前は本当にダメなやつだ」「何をやってもダメだ」「また失敗した」「ばか」「あほ」

 夫から投げつけられるこれらの言葉に、私は感謝していた。私のためを思い、あえて嫌な事を指摘してくれて、夫だけが本当のことを言ってくれる。私はますます夫に信頼を深め、前向きに努力を心がけたものだった。

 しかし、それが真実であれば、着実に弱っていった私はなんなのか、という事になる。私は、自尊心が低すぎたから、自分の心を守れなかったのだと今は解るが、あの頃は全く気がついていなかった。


 昨年の2月上旬頃、私ははじめて心療内科にかかった。

 度々悪夢にうなされ、自分の悲鳴で夜中に目を覚まし、気がついたら、天井から降りてくる大きな蜘蛛に恐怖していて、布団から蜘蛛をはらう仕草をしているところで我に帰ったりということがあった。
 慢性的に睡眠不足だったし、動悸で苦しかったし、落ち込んだ精神状態が続き、仕事に集中出来なくて支障が出る、そう思い相談にいったのだった。

 心療内科で私は、原因は仕事のストレスだと思います、と伝えていた。夫のことばの暴力が原因だとは思ってもみなかった。

 だが、同じく昨年の3月のある日、夫との暮らしが辛くて仕方ないと、はじめてはっきりと自覚する出来事があった。

 そのきっかけの出来事は、私の高校時代の部活の、顧問の先生が定年退職されるのでお祝いの会食が開かれ、出席した日に起こった。
 お祝いの会食のことで(幹事の)先輩から連絡がきたのは1月だった。連絡があってすぐに夫にスケジュールを伝えたが、その時点で既に夫が不機嫌になった事を覚えている。
 快く送り出してくれないのが悲しいのに何も言えず、というか何がなんだか解らなくて、一人の時に無性に涙が出たりした。

 会食の前日の夜、同期の友達から電話がかかってきたのだが、その時ちょうど自宅で夫と夕飯を食べはじめるところだった。

 「明日会場までどうやって行く?」と友達。私は「車で行くので、よかったら最寄駅でピックアップするよ」と答え、待ち合わせ時間を打ち合わせ、用件がすんだら手短に電話を切ろうと思った。
 なぜなら夫がどんどん不機嫌になるのが解ったから。きっとすごい形相で睨んでいるのだろうと感じたから、夫の方を見ないようにしていた。

 友人が「服装は別にスーツとかじゃなくていいよねぇ?Gパンでもいいかなぁ?」と続ける。「私は明日仕事してから行くから、パンツにニットにジャケットって感じだけど、Gパンで大丈夫だよ〜」と言いながらこれ以上はまずい、と苛立った。
 
 すると夫が「おいっ、早くしろっ!」と静かだけれど、冷たい低い声で言った。
 決して怒鳴ったりしてないけれど、私にとっては衝撃を感じ、プレッシャーで、動揺するのには十分だったから、慌てて話を終らせ電話を切ってしまった。

 「食事前なんだから後で話すとか気をつかえ!」と怒られた。そして「お前、車に人を乗せる気なのか?!絶対にダメだ。事故でも起こしたら責任とれるのか!?絶対に乗せるなよ。タクシーの方がよっぽど安全だと言え。いいなっ」と命令するように言われた。
 食事前に電話したことは、ごめんね、と謝ったが、その次のことは曖昧に言葉を濁しておいた。
 どうして、わずか数分の会話にあんなに怖い顔をするんだろう。どうして車に人を乗せたらダメだなんて滅茶苦茶なことをいうんだろう・・・電話を慌てて切ってしまって友達に悪い事をした・・・やり切れない思いがして溜息がでた。

 会食の時間は、19時からと聞いていた。
 当日、友人と一緒になって時間通りに到着したが、まだまだ人がまばらで・・・19時30分過ぎて開会の挨拶となった。今にしてみれば結構アバウトな進行だと思う。ま、いいんだけど(^^;)

 時間が過ぎていき、宴もたけなわの21時過ぎ、確か25分くらいに、マナーモードにしてあった私の携帯電話が振るえた。「きっと夫からだ」そう思ったらもう平静でいられなくなった。電話に出る事は出来なかった。

 主役の先生より先に失礼するのは嫌だったから、結局21時50分の3本締めまでその場にいたのだが、とてつもなく長い時間に感じた。

 夫からの電話に出ることが出来なかったのは、もしも出て「何やってるんだ、もう21時過ぎてるぞ!」などと怒られたら、涙をこらえる自信がなかったから。そのころは、びくびく、おどおど、精神状態が正常でなかった。そんな時はちょっと怒られただけでも泣いてしまう。皆の前で泣くことだけは避けたかったから、出ないことにしたのだ。

 二次会に行くという皆に「私は帰るから」と挨拶をし、帰宅したのだが、まず車に乗り込んですぐに携帯電話を確認したら、着信が16件入っていて、全て夫からだった。

 電話をすると夫はいきなり批難轟々私を罵った。

 「ひでえやつだ、なんで電話にでないんだ、なんで遅くなるなら電話しないんだ、だらしないやつだ、信じられない、許さない・・・」

 「ごめんね、電話は気がつかなかった。お開きになったのが22時前で、先生を見送るまでその場にいたかったので・・・」そう弁解したが、言い終わる前に電話は切れていた。

 そして帰宅すると同じように批難されるやりとりがあり、私は泣きながら訴えた。
 「もう二度と出かけません、こんな思いをするなら出かけたくなんかない、
 あなたの言うとおりにする。でも、、、私ってそんなにだらしない?
 いつも一生懸命頑張っているのに、どうしてこんなに責められなきゃいけないの?
 そんなに私悪いことしているの?
 そんなに信用できない?いつもいつも私の事ダメな奴だと言うし、
 そうやって軽蔑したような目でみて、私の事憎んでるみたい。
 それなら一緒にいるのやめよう、今日も帰ってくるのが嫌で仕方なかった、
 もう今から出て行ってもいいと思う、 一人になりたいと思う」

 その後、夫も落ち着き、二人とも静かに床についたけれど、私は眠れるはずもなく、布団を頭までかぶり涙を流していた。どうしてこんなに辛い思いをしなければならないの・・・私の心はボロボロだった。この時、一生懸命に保ち続けていた何かが壊れた気がした。。。


 夫から攻撃されているとは思っていなかったから、私は辛いという事を誰にも相談出来なかったのだが、私にはその頃、ネットで知り合ってずっと交流を温めていた友人がいて、彼女に唯一相談することが出来た。モラルハラスメントを受けていると思っていなかったから、ただ暗い話、愚痴話を聞いてもらったような感じだったと思うのに、親身になって付き合ってくれた。
 そして、モラルハラスメントについて色々な事が解ってきたら、彼女に伝えたくて、思うまま書き綴り、たくさんのメールを送った。彼女とのメールの言葉のやりとりで、どれほど励まされたか解らない。
 
 色々な事に気付くための一歩を、この時に踏み出したのだと振り返っている。
posted by ブラン at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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